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この作品について 保護施設で一人で食事をする太郎

この作品について

Director's Statement

我が家の隣人について、自分は何も知らない。
 もしその人が想像もしない人物 —— 犯罪者、怪物、天上人の仮の姿、はたまた宇宙人だったら、自分は無関係を装うのだろうか?単純な想像から、この物語は始まった。

 が、シナリオを書き進めるうち、物語の中に現れてきたのは意外な人々だった。住民票など一切の公的記録の存在しない独居高齢者、名前さえわからない育児放棄された無国籍児、家出をしたゲイの若者…。主人公を取り巻いたのは、宇宙人ではなく社会の隙間で生きる人々だった。

 そうした人々に共通するものを探るうち、「都会の中の孤独」が浮かび上がってきた。人との関係を断ち切り、孤独であることは同時に「自由」であるということだ。主人公はそう信じて生きている。だが、人と人がつながり合い、支え合う事を忘れたくないし、信じ合えることを願っている自分たちに気がついた

 孤独とは何か、人は孤独で生きて行けるものなのか。過去も問わず、その人の今の言葉だけで信じる事はできるのか。その問いの答えは、隣人に対し無関係を装ってしまう自分たちの中にあった。

 現実の世界では日々、「所在不明高齢者」「児童虐待死」など痛ましい事件が報じられている。だからこそ私たちは映画として、「希望」を求めた。本作品を都会を舞台にした大人の寓話としてご覧いただければ幸いである。